「復讐劇」と聞くと、あなたはどんな物語を思い浮かべますか?
Netflixで配信中の韓国ドラマ
『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』
いじめによって人生を壊された女性が、緻密に練り上げた復讐計画を実行していく物語です。
本作は、「復讐」という重たいテーマを扱いながらも、感情を揺さぶる緻密な脚本と美しい演出で視聴者を圧倒。
韓国だけでなく世界中で高い評価を得ており、2023年Netflixの話題作の一つとして注目されました。
この記事では、ザ・グローリーの評価、感想、小話裏話などを全てネタバレなしで紹介します。
- 心に刺さる復讐劇が観たい
- 社会問題(いじめ・格差・女性の生きづらさ)にも興味がある
- ダークで重厚な韓ドラが好き
- ソン・ヘギョさんの繊細な演技を堪能したい
こんな人におすすめです。
ザ・グローリーの作品情報
タイトル: ザ・グローリー ~輝かしき復讐~
(原題:더 글로리 / 英題:The Glory)
配信: Netflix
(全16話|パート1・パート2 各8話)
ジャンル: 復讐/社会派ドラマ/サスペンス
主演: ソン・ヘギョ、イ・ドヒョン、イム・ジヨン
放送年: 2022年(パート1)
2023年(パート2)
年齢制限:年齢制限16歳+
(暴力・差別的表現を含む)
ザ・グローリーのあらすじ
Netflixシリーズ『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』パート2のキーアートも公開。
「君は僕の救い」
3月10日より独占配信スタート。#ザ・グローリー #TheGlory pic.twitter.com/dc3sJO285j
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) February 9, 2023
高校時代、壮絶ないじめを受け、心も身体も深く傷ついた少女ムン・ドンウン。
大人たちに助けを求めても誰も手を差し伸べてくれず、彼女の人生は絶望の中にありました。
やがてドンウンは静かに生き延び、大人になった今、長年かけて練り上げた復讐計画を実行に移します。
標的は、かつて彼女を地獄に突き落とした“加害者”たちと、それを黙認した“傍観者”たち。
復讐の舞台として選んだのは、加害者の子どもが通う小学校。
ドンウンはそこで担任教師となり、少しずつ彼らの人生に介入していきます。
――これはただの復讐劇ではありません。
傷を負った人間が、いかにして尊厳と人生を取り戻すかを描いた、深く切ない物語です。
2.ザ・グローリーのキャスト紹介
ムン・ドンウン(演ソン・ヘギョ)
高校時代に壮絶ないじめを受け、大人になってから復讐を決意する主人公。
静かでありながらも燃えるような怒りを内に秘めた難役を、ソン・ヘギョさんが見事に演じきります。
チュ・ヨジョン(演イ・ドヒョン)
ドンウンの復讐計画に関わる青年医師。
彼自身も心に闇を抱えており、物語の中で重要な役割を担います。
優しさと狂気の境界線を演じるイ・ドヒョンさんの存在感に注目です。
パク・ヨンジン(演イム・ジヨン)
ドンウンの最大の復讐対象。
過去に彼女を執拗にいじめた加害者の中心人物。
演じるイム・ジヨンさんは、冷酷さとエゴを見事に体現し、多くの視聴者に強烈な印象を残しました。
ザ・グローリーの魅力と見どころ
① 静かな怒りが生み出す極上の緊張感
本作の最大の魅力は、“怒り”を声高に叫ばず、静かに、冷ややかに描く演出。
ムン・ドンウンの復讐は暴力や派手なアクションではなく、相手の人生をじわじわと壊していく静かな戦い。
視線ひとつ、言葉ひとつが鋭く刺さり、観ている側にも緊張感が走ります。
セリフの少ないシーンも多いですが、俳優たちの表情や間(ま)の演技によって、感情のうねりがリアルに伝わってきます。
② 社会問題への鋭い切り込みと普遍性
『ザ・グローリー』が多くの人の心を動かす理由は、いじめをはじめとする社会問題に真正面から向き合っている点です。
-
学校内でのいじめとその後遺症
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家庭の貧困や機能不全
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大人たちの無関心や腐敗
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“加害者”が何の罪もなく人生を謳歌している現実
こうしたテーマは韓国に限らず、現代社会全体に通じる普遍的な問題であり、だからこそ視聴者の胸に深く刺さります。
③ キャスト陣の演技がリアルすぎる
主演のソン・ヘギョさんはもちろん、加害者役のイム・ジヨンさん、そして謎めいた青年医師チュ・ヨジョン役のイ・ドヒョンさんなど、
どのキャラクターも演技がリアルで重厚です。
特に、ムン・ドンウンを演じたソン・ヘギョさんは、それまでの清楚でおとなしいイメージを完全に覆す迫真の演技を披露。
「怒りを燃やす静かな目」
この存在感は圧巻で、視聴者からも「キャリア最高の演技」と高く評価されています。
④ 二部構成で緻密に描かれる復讐の設計図
『ザ・グローリー』は全16話をパート1(仕込み)とパート2(実行)に分けた構成。
前半では、ドンウンがいかにして“復讐という人生”を選び、長年かけて準備してきたのかをじっくり描写。
後半になると、一気にテンポが加速し、復讐劇が本格化していきます。
途中からは“誰が味方で、誰が敵なのか”さえ分からなくなるサスペンス要素もあり、最後まで目が離せません。
3.ザ・グローリーの評判
評価項目 | スコア |
---|---|
ストーリー | ★★★★☆(4.5) |
キャストの演技 | ★★★★★(5.0) |
演出・構成 | ★★★★☆(4.3) |
社会的メッセージ | ★★★★★(5.0) |
緊張感・没入感 | ★★★★☆(4.6) |
総合評価 | ★★★★☆(4.7) |
🌟 ストーリー:★★★★☆(4.5)
いじめという重いテーマを軸に、静かな復讐を描く緻密なプロットは秀逸。
大人になった主人公が、じわじわと相手の人生に切り込んでいく展開にゾクッとします。
ただ、一部で
「テンポがゆっくりすぎる」と感じる人もいるかもしれません。
🎭 キャストの演技:★★★★★(5.0)
主演のソン・ヘギョさんを筆頭に、すべてのキャストが役になりきった圧巻の演技。
特に、加害者パク・ヨンジンを演じたイム・ジヨンさんの嫌われっぷりは「演技がうますぎて怖い」と話題になるほど。
どの登場人物も生々しく感じられます。
🎬 演出・構成:★★★★☆(4.3)
派手な演出は抑えめで、静かで繊細な映像と音楽が物語の緊張感を高めています。
構成も前半(パート1)で緻密に伏線を張り、後半(パート2)で一気に回収するスタイルが見事。
ただ、やや説明不足と感じる点もあり、それが0.7ポイント減点理由です。
🧠 社会的メッセージ:★★★★★(5.0)
このドラマの真の価値はここにあると言っても過言ではありません。
いじめの後遺症、社会的無関心、権力の腐敗など、韓国社会が抱える現実の闇を鋭く描き出しつつ、視聴者に考えるきっかけを与えてくれる作品です。
🔥 緊張感・没入感:★★★★☆(4.6)
セリフが少ないシーンでも、「視線」や「間」で緊張感を生む演出は圧巻。
一気見してしまうほどの引力があります。
中盤で少しトーンダウンする回があるため、わずかに減点しましたが、それでも十分に見応えのある構成です。
✅ 総合評価:★★★★☆(4.7)
ただの復讐劇では終わらない、“傷を抱えた人がどう生き直すか”という深いメッセージ性を持つ作品。
サスペンスとしても、社会派ドラマとしても、完成度の高い一本です。
4.ザ・グローリーを観ての感想
全16話構成で、1話あたり約50分前後。
韓国ドラマとしては長すぎず、テンポよく観進められるボリュームです。
この作品の大きなテーマは「いじめ」と「復讐」。
学生時代、誰しも多少の嫌な経験をしたことがあるかもしれませんが、それが深刻な“いじめ”になると話は別です。
心身に傷を負い、人生そのものが変わってしまうほどの苦しみになることもあります。
『ザ・グローリー』では、日常的な暴言や暴力、性的虐待、そしてアイロンでの火傷など、目を覆いたくなるような凄惨な描写が続きます。
被害者の心と体に一生消えない傷を残す―それが、この作品のスタート地点です。
でも、こんな声もよく聞きますよね。
確かに一理あります。
でも、そう言えるのは“外野”だからこそ。傷つけられた人にしか分からない痛みが、確かにあるはずです。
演技が光るキャスト陣
まず目を奪われるのが、主人公ドンウンを演じたソン・ヘギョさん。
端正な顔立ちと、火傷痕を隠しきれない体。過去の傷を背負った彼女の演技は、まさに圧巻です。
そして、いじめグループのリーダーパク・ヨンジンを演じたイム・ジヨンさん。
その“憎たらしさ”に、本気で腹が立つほど…ということは、それだけ演技が上手いということ。
さらに見逃せないのがカン・ヒョンナム役のヨム・ヘランさん。
DV夫から娘を守るために、ドンウンに協力する彼女の存在が、作品に人間味と温かさを与えています。
ストーリーの魅力と気になる点
物語は「復讐」そのものが主軸ですが、やり方は極めて緻密。
ドンウンが一人ずつ相手を追い詰めていく過程は、スリリングで思わず引き込まれます。
伏線も多く、
「えっ、そう繋がるの!?」という展開が満載です。
そして多くの人が口を揃えるのが「一気見してしまう」こと。
テンポよく話が進み、次が気になって止まらなくなるタイプのドラマです。
ただ一つ、個人的に少し気になった点も。
ドンウンを助ける人たちが、あまりにも“いい人”すぎるんです。
もう少し「復讐なんてやめておけ」という現実的な声があっても良かったのでは、と思いました。
そこに少しの“リアルさ”が欠けているように感じたのも正直な感想です。
それでも『ザ・グローリー』は、いじめという社会問題を正面から描き、視聴者に
「復讐とは何か」
「人を赦すとは何か」を問いかけてくる力作です。
暴力的な描写があるため万人向けではないですが、深く考えさせられるヒューマンサスペンスを求める方には、強くおすすめできる作品です。
5.ザ・グローリーの小話、裏話

🐍 1. キム・ヒオラさん実際の大蛇との共演
◎ 実際に大蛇と共演したことは確かな事実です。
女優キム・ヒオラは、「本物の蛇を使った」と明言しており、世界中のクリップやTikTokでも話題に。
出演場面は恐怖と緊迫感の映像が印象的で、蛇との“本物の接触”が演出上のハイライトになっていますreddit.comyoutube.com。
🥗 2. ソン・ヘギョさんの凄まじい体作り
◎ 深い焼け跡シーンに向けて、ソン・ヘギョさんは3日間バナナのみ、さらに前日から水も断つという極端なダイエットを敢行したとのこと。
自身のインタビューで明かしています。
「死にそうだったが演技に説得力が出た」と述懐しており、現場でも大きな反響を呼びました。
また、別の報道では蒟蒻(こんにゃく)だけの食事を2か月間続け、計17kg減量したという驚愕の数字も報じられています。
6.Netflix限定キャストの他作品紹介

※情報は2025年6月に公開されている作品です。
🌸ソン・ヘギョ(ムン・ドンウン役)
ボーイフレンド(2018)
┗ 政治家の娘と自由な青年が織りなす癒し系ラブストーリー。
切なく温かいロマンスが魅力。
今、別れの途中です(2021)
┗ ファッション業界を舞台に、愛と別れをリアルに描いた大人のラブストーリー。
🌸イ・ドヒョン(チュ・ヨジョン役)
ホテル・デルーナ(2019)
┗ 亡霊だけが泊まる高級ホテルを舞台にしたファンタジードラマ。
彼は若き助っ人社長として登場 。
メランコリア(2021)
┗ 私立学校の腐敗とスキャンダルを背景に、数学教師と天才生徒の“学園ミステリー”を描いた青春ドラマ。
良くも、悪くも、だって母親(2023)
┗ 不慮の事故で子どもに“心が子どものままの検事”となった息子と母親の再生ドラマ。
理想と葛藤を抱く親子の絆が胸に響く 。
Sweet Home-俺と世界の絶望-(2024)
┗ 人間が“化け物化”する恐怖に立ち向かうサバイバルホラー。
イ・ドヒョンさんは冷静沈着な青年役で存在感を発揮 。
🌸ヨム・ヘラン(カン・ヒョンナム役)
悪霊狩猟団 カウンターズ(2020)
┗ 悪霊と戦う特殊能力を持ったチーム「カウンターズ」の活躍を描く、爽快アクションファンタジー。
ヨム・ヘランさんはチームの一員で癒しと力を併せ持つ存在感抜群のキャラ。
サンガプ屋台(2020)
┗ 屋台を訪れる客の悩みを“夢の中”で解決する、ちょっぴり切なくて笑えるファンタジードラマ。
ヨム・ヘランさんは人間界と霊界をつなぐ重要な役どころ。
マスクガール(2023)
┗ 顔にコンプレックスを持つ女性が「仮面配信者」として人気を集めるも、人生が一変していくサスペンススリラー。
ヨム・ヘランさんは母親役で、物語のカギを握る存在に。
おつかれさま~今日も一日お疲れ様~(2022)
┗ 韓国の社会で奮闘する人々の日常をリアルに描くオムニバス形式のヒューマンドラマ。
短編の中で印象的な存在感を放つ。
悪魔判事(2021)
┗ ディストピア国家で繰り広げられる「公開裁判ショー」を軸に、正義と権力を問う法廷サスペンス。
ヨム・ヘランさんは政府高官役で登場し、緊張感を高める。
椿の花咲く頃(2019)
┗ 小さな町にやってきたシングルマザーと町の人々との交流、そして未解決事件を軸に展開する感動のヒューマンミステリー。
ヨム・ヘランさんはヒロインの親友役として活躍。
まとめ|『ザ・グローリー』は心に刺さる復讐劇
総合的にとても楽しめた作品でした。
正直、誰でも人からひどいことをされれば復讐したくなる。
でも現実ではそれは難しいし、やってはいけないとわかっているからこそ、フィクションの世界で美しい復讐を観ることに意味があるのだと思います。
『ザ・グローリー』は、そんな“叶わぬ感情”を代弁してくれる物語。
悪いことをした人には、それ相応の報いがある──
そんな結末が待っているからこそ、観ていてスカッとするし、心の中に「正義」が染み渡ります。
疲れた日常の中、たまにはこのような痛快でヒリヒリする復讐劇を観てリフレッシュするのも良いかもしれません。
こんな人におすすめ!
-
重たいテーマでも深みのあるストーリーを楽しみたい
-
ソン・ヘギョやイム・ジヨンらの名演技をじっくり味わいたい
-
韓国ドラマらしい心理描写や人間関係のリアルさが好き
-
サスペンスや復讐劇が好きで、最後まで目が離せない展開を求めている
まだ観ていない方は、どんな復讐が成され、どんな結末を迎えるのかをぜひお楽しみに。